• 「原稿を置いてボタンを押すだけじゃないの?」
  • 「大量の書類を一気にスキャンしたら汚くて使えなかった・・・」
  • 「文字や画像が思った画質でスキャンできない!」

実はスキャンって単純そうで単純じゃないんです!

ベタ塗り原稿や印影、手書き文字やFAX文書など写りが悪い書類をキレイに撮るには?

青焼き時代の複写業から創業60年 これまでのコピー・電子化事業で培ったスキャンの秘訣を教えちゃいます!


甘くなかったペーパーレス化 スキャン作業につきまとう不安

DXやペーパーレス、BCP対策などちょっと前からよく聞くワードですね。

そういった取り組みの一環として紙文書のスキャンは当たり前になってきています。

過去の書類に関しても、保管場所や閲覧性など電子化のメリットは数多く、スキャン後は保管費用・スペースの削減のため、また、保管義務のあるものは期間を過ぎた後に文書の原本は処分することがほとんどだと思います。

スキャンした文書は廃棄する前提で社内でのスキャン作業を頼まれたら、どうでしょうか?

「スキャンの漏れがないように・・・」 「順番に気を付けて・・・」 「曲がりや歪みがないように・・・」 「サイズを間違えないように・・・」 「表裏や上下を間違えないように・・・」 「両面があるかも・・・」

ほかにも想像のつくポイントはいくつも・・・とてもプレッシャー感じますよね。

更に、それが大量にある文書のスキャンですから、気も身も重くなって先が思いやられます。


目的に沿ったスキャン形式と データ容量の関係性

書類をキレイに取り込むために一番手っ取り早いのはカラースキャンです。

解像度や圧縮の設定にもよりますが、見た目が一番原稿に近い状態でスキャンできます。

 

●カラースキャン例 ↑クリックで拡大

ただし、最もデータ容量が大きくなるのも勿論カラースキャンです。

そのため、何千・何万枚もある書類を全部カラーでスキャンすると、保存する書類データがとても膨大な容量になってしまうんです。

増えれば増えるほどHDD・ファイルサーバーやNASの容量を圧迫していくため、書庫がキレイになっても、今度はデータストレージ管理に結局余計なコストがかかります。

ファイルサイズの大きいデータはアクセスしたときになかなか表示されなかったり、PCのスペックによっては開くことすらできなかったりと、不便になることもあります。

そういった理由もあり、特に閲覧用に保存するデータでは内容が分かることが第一なので モノクロでスキャンする需要が多いのです。そして大体の場合それで十分だったりします。


モノクロスキャンは意外と難しい

ほぼすべてのスキャナーが対応している、扱いやすいモノクロスキャンですが、実はそう簡単なものじゃないって事、皆様は知っていますか?

印刷・コピーやスキャンでいう「モノクロ」というのは、いわゆるモノクロ写真のような濃淡のあるグレーではなく、白か黒の2値のことです。

皆様の身近で白黒2値のモノクロになっている文書といえば、例えばFAXで出力されたものを想像いただければ間違いありません。

文字も絵も写真もすべて白か黒だけで表現しますので、絵がつぶれてしまう・文字が消えるor埋もれる等の現象を、FAX広告でも見た覚えがあるのではないでしょうか。

スキャニングも同様に、カラー同士が重なったり並んでいる部分や隙間のない太文字などは、真っ黒につぶれてしまうことがあります。 また、それとは逆に、薄い色の部分や細字・手書き文字等は、濃度によってはかすれて消えてしまうような場合もあります。

スキャンする用紙の状態やプリントの濃度にも依存するため、濃さの調整をすべて行うことになってしまいます。

●モノクロスキャンつぶれ・かすれの例 ↑クリックで拡大

書類といえばエクセル・ワード・パワーポイント・・・ 色分けされた数字や、グラフ・図を多用したカラーの書類が世の中にはたくさんあるということがさらに厄介です。

結局は容量を諦めてカラースキャンを行うしかないのでしょうか?


2値でも濃淡が表現可能! プロが行うモノクロスキャンの方法とは?

ここまでカラー・モノクロスキャンそれぞれの問題に触れてきましたが、モノクロのつぶれ・かすれ対策の解決方法をお教えします。

まずはこちらのサンプル画像からご覧ください。

●プロのモノクロ調整スキャン ↑クリックで拡大

いかがでしょうか?

つぶれたモノクロと見比べていただければ、その違いは一目瞭然と思います。

濃淡がわかり、文字も読める状態になっていますよね。

これでもウェブブラウザ用に解像度をだいぶ落としていますので、実際にスキャンしたデータはさらに細かく鮮明に表現できます。

これはディザリングというあえてノイズパターンを作り濃淡を表現する技術です。

カラー表現の為にトーンやコントラストの調整をしっかり行うことで、モノクロデータでもカラーに近い情報を収めることができます。

この場合、スキャンデータの容量は以下の通りになっています。

解像度:300dpi 形式:PDF 容量
カラー 498 KB
モノクロ通常 34 KB
モノクロ調整あり 131 KB

ディザリングを加えたモノクロ調整データは通常よりも容量が増えますが、それでもカラーのデータ量に比べたら圧倒的に少なくなります。

例えば、コピー用紙4箱分の原稿1万枚をスキャンした場合、カラーだと4.98GB、モノクロ調整だと1.31GBになります。

カラーに比べて容量が約26%、大体4分の1くらいです。

倉庫・書庫にある書類がコピー用紙4箱分で済むことはなさそうですので、×10、×100と考えていくと、さらに大きな差になってきますね。

ぜひモノクロスキャンの調整を極めて、キレイ且つ省容量で書類の電子化を行いましょう。

キレイにスキャンするために重要なことは、原稿特性を理解することです。

お使いのスキャナーによっても搭載された機能は様々ですし、慣れていないと調整にもスキャンにも時間がかかってしまいますが、初めはテストスキャンを行いながら丁寧にチャレンジしてみてください。

そのうちに、原稿を見ただけで、濃度・コントラスト・トーンの調整をスムーズに判断できるようになってくると思います。


作業の効率を高めるために スキャン原稿の下準備

最後になりますが、さらに効率よく作業を進めるためのとっておきの秘密も教えちゃいます。

スキャンするには原稿の整理が重要です。

スキャン前には必ずホチキスなどジョイントがあるか付箋などが貼られていないかを漏らさずに確認することです。

スキャンが正常に行えないだけでなくスキャナー自体のダメージにもなりますし、場合によってはそれが原因で原稿が破損してしまう場合もあります。

これ実は、スキャンしながら確認する方がロスになったりするんです。

また、スキャン後のデータチェックも重要です。

・スキャンの漏れがないか ・ページの順番狂いがないか ・裏写りしていないか ・原稿の折れで文書が隠れてしまっていないか ・邪魔なゴミが写りこんでいないか

などなど、チェックしなければならないことがたくさんあります。

スキャン作業をすでに日常で行われている方には「うんうん」と納得いただけたのではないでしょうか。

また、これから始める方にとっては「スキャンってそんな大変なのか」と、さらに頭を抱えることになったかもしれませんね😅


困ったときにはプロを頼ってください

実は、私も最初は不慣れだったこともあって、何回も取り直すことになったり、作業テンポが遅くなり必要以上に時間がかかったりと、挫折感を何度と味わってきました・・・が、何度もがんばった甲斐はあったと思っています。

実際に皆様の会社で仕事の合間や時間・チーム・人員を確保して電子化を行わなければいけないとしたら、かなりの負担と思います。

そのために残業が増えたり、複合機が埋まって稼働効率が落ちる等してしまっては本末転倒です。

自分で苦労して搗いたお餅は美味しいものですが、やはり大変なので、毎日食べるなら餅は餅屋がベストではないでしょうか。

私たちは、電子化のプロとしてこれを毎日やっています。

今では当然のようにサクサクと素早く作業をこなせますし、原稿の量や状態からの目途立てもかなり的確な範囲で行えます。

仕事なので当たり前ですが、その自負があるからこそ、自信をもって皆様に納得頂ける価格と品質でサービスをお届けし、それを評価いただけていると感じています。


最後に

締めが私の技術自慢のようになってしまいましたね😅

ここまでお読みいただきありがとうございました。

今回の記事を通して、皆様にもスキャンの匠を目指していただけましたら幸いです。

もちろん弊社へのご依頼も歓迎です。

私たちは、茨城県水戸市を拠点に、ウェブサービスを通して全国の皆様に届くようご提案を行っています。

今回の記事の内容はもちろん、その他スキャンに関するご質問などございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

>> スキャンのお問い合わせはこちらから