はじめに 紙資料の電子化は“思ったより大変”です

オフィス移転や保管スペース削減をきっかけに、紙書類の電子化を検討する企業は増えています。

スキャナーがあればPDF化は可能です。しかし、

  • 作業が途中で止まる
  • 想定以上に時間がかかる
  • 電子化したのに探しづらい
  • 管理ルールが崩れる

といった問題が多く発生します。

特に以下のような複雑で大規模な案件の場合、電子化は「作業」ではなく「プロジェクト」です。

  • A0図面〜A4契約書が混在
  • 段ボール数十箱単位
  • 数万枚規模

本記事では、段ボール59箱・約80,000枚の実例をもとに解説します。

目次

  1. 案件概要
  2. 自社対応で起きた3つの課題
  3. 外注へ切り替えた理由
  4. 自社対応か外注かの判断基準
  5. まとめ 電子化成功のカギ

1. 案件概要

  • 段ボール:59箱
  • 総枚数:約80,000枚
  • サイズ:A0/A1/A3/A4混在
  • 書類:契約書・図面・製本資料・折込図面付き資料

保管スペースを圧迫していた59箱の紙資料を電子化してほしいという要望でした。

2. 自社対応で起きた3つの課題

お客様は自社のスタッフや機械を使って電子化を行おうとしていたそうです。

しかしやり始めてみると想定外の課題が次々と発生したとのこと・・・

課題① 作業工数の想定外増加

80,000枚を単純計算すると222時間以上。

しかし実際には

  • ホチキス除去
  • 両面確認
  • 折込展開
  • 順番チェック

などの作業が加わり、スケジュールは大幅に遅延。

3か月を経ても完了率は20%程度だったそうです。

図表①:作業時間シミュレーション(棒グラフ)

80,000枚スキャンに必要な時間試算


  • 10秒/枚 → 約222h
  • 20秒/枚 → 約444h
  • 30秒/枚 → 約666h

課題② サイズ混在による効率低下

A0図面とA4契約書では工程が別物です。

スキャニングに使う機械が異なるため一括処理ができず、どうしても効率が低下します。

  • 設定変更が頻発
  • 物理的仕分け
  • 原稿方向確認

以下はこの案件における原稿サイズのおおよその内訳です。

  • A4契約書:55%
  • A3書類:20%
  • A1〜A0図面:15%
  • 製本資料:10%

ここまでサイズが混在してしまうと、

内容:大型図面専用スキャナーでの読み取り風景

キャプション:

A0図面は専用機での処理が必要

→ 本文途中に横幅80%配置

課題③ データ管理設計の崩れ

スキャンしたデータを年度別にフォルダ分類しようとしたものの、以下のような問題が発生

  • 図面と契約書の分類問題
  • 部門横断案件の扱い
  • 修正版増加
  • 同一案件の重複
  • 最新版不明
  • 検索性低下

大規模な電子化には「プロジェクトの設計」が不可欠だと実感したそうです。

3. 外注へ切り替えた理由

これまでのことから

✔ 大量処理体制
✔ 枚数・順番のダブルチェック
✔ フォルダ設計の提案

短期間で完了し、検索性が大幅向上。

自社対応 vs 外注 比較表

項目 自社対応 外注
処理スピード 遅い 早い
精度 人依存 チェック体制あり
管理設計 未整備 提案
業務負担 高い 低い

4. 自社対応か外注かの判断基準

次の場合は外注を推奨します。

  • 10,000枚以上
  • サイズ混在
  • 契約書など順番管理必須
  • 通常業務を圧迫

今回のように80,000枚の規模となると“プロジェクト管理領域”として体制を整えないと、業務完了は困難です。

5. まとめ 電子化成功のカギ

段ボール59箱・80,000枚。

この規模では、

  • 原稿管理
  • サイズ処理
  • データ設計
  • 運用ルール

すべてを考慮する必要があります。

まずは、箱数・枚数・サイズ構成を整理すること。
それが成功への第一歩です。

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