目次
- はじめに
- ご依頼の背景
- 紙図面からCADデータ作成の流れ
3-1.紙原図のスキャニング
3-2.CADソフトによる図面トレース
3-3.対応可能なデータ形式 - 精度へのこだわりと対応方針
- 参考価格について
- 今後のニーズとご提案
- まとめ
1. はじめに
建物の改修工事や維持管理において、既存の建築図面が紙のままで残されているケースは少なくありません。
今回は、関東のとある建築施工会社様よりご依頼いただいた「紙図面からのCADデータ作成」 事例をご紹介いたします。
特に、最終的に“完成図”として納品する必要がある案件において、どのような工程で高精度なCAD化を実現したのかを解説いたします。
2. ご依頼の背景
ある建築施工会社様より、次のようなご相談をいただきました。
- 改修工事を請け負ったが、建物の設計図は紙図面しか残っていない
- 工事を進めるにあたり、図面をCAD化して編集・利用したい
- PDFやTIFFなどの画像データでは作業効率が悪く、編集も困難
こうした背景から、正確で使い勝手の良いCADデータを作成してほしいというご要望を受け、スキャニング + CADトレースによる図面のデジタル化をご提案しました。
3. 紙図面からCADデータ作成の流れ
紙図面をCAD化するには、いくつかの重要なステップを踏んでいく必要があります。
以下、今回の事例における具体的な工程をご紹介します。
3-1. 紙原図のスキャニング
まず最初のステップは、紙原図を高解像度でスキャニングし、画像データを作成することです。
この工程の品質が、その後のCADデータの仕上がりを大きく左右する、とても重要な作業です。
この工程のポイント
- 高解像度スキャニングによる精細な画像取得
- 色調補正・ノイズ除去による視認性の向上
- 寸法誤差を極力抑えた画像データ作成
※原図の状態に応じた補正・調整も対応いたしました。
3-2. CADソフトによる図面トレース
スキャニングした画像データをCADソフトに読み込み、熟練技術者による手作業トレースを行います。
この工程のポイント
- 測量士および測量士補が正確に図面を再現
- 図面縮尺に基づいた寸法・角度の厳密な再現
- 複雑な図面も、自動変換に頼らない手作業で対応
ベクター変換のみの自動処理では対応が難しい複雑な図面構造も、手作業トレースであれば 忠実に再現可能です。
Before 紙からスキャンのTIFFデータ
After トレースしたJWWデータ
3-3. 対応可能なデータ形式
納品時は、お客様の設計・施工環境に応じた拡張子で対応いたします。
- DWG(AutoCAD形式)
- DXF(中間データ形式)
- JWW(Jw_cad形式)
- BVF/SFC/SXFなどの業務特化型形式
4. 精度へのこだわりと対応方針
図面の正確性は、建築工事の品質や安全性に直結します。そのため、当社ではスキャニングからトレースまで一貫して精度管理を徹底しています。
この工程のポイント
- 原図との寸法誤差を最小化する
- 二重チェック体制による検証
- 必要に応じてお客様と図面仕様のすり合わせを実施
ご依頼企業様コメントのご紹介
「古い紙図面を正確にCAD化してもらえたおかげで、改修工事の設計作業がとてもスムーズでした。」
5. 参考価格について
今回の事例では、建物の建築平面図(縮尺1/500)をCADトレースにて作成。 参考価格は以下の通りです。
図面1枚あたり:¥15,000~(税別)
※図面の状態や内容により変動いたします。お気軽にご相談ください。
6. 今後のニーズとご提案
今から約40年前、1980年代に建設された多くの建物が、まさに改修時期を迎えています。
当時は紙図面が主流であり、未だにCAD化されていないケースも多数存在します。
将来的なニーズを見据えて、早期のCAD化・デジタル化が今後ますます重要になることでしょう。
紙図面をCAD化するメリット
- 維持管理の効率化
- 建築確認、申請手続きの迅速化
- 災害時の図面確認、復旧対応の迅速化
7.まとめ
建築現場において、正確な図面は工事の品質と安全性を支える極めて重要な要素です。
今回の事例では、紙図面しか存在しない建物の改修工事に対応するため、高解像度スキャニングからCADトレースによる図面データの再構築を行いました。
ベクター変換よりも費用はかかるものの、トレースによるCAD化は精度が高く、完成図として納品できるクオリティを実現できます。
老朽化が進む建物の維持管理が今後ますます求められる中で、図面のデジタル化は避けて通れない課題です。
今後の改修計画や資産管理の効率化のためにも、ぜひ早めのCAD化をご検討ください。
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