製本の種類について
大判製本図面スキャンの対象となる製本図面の種類です。
二つ折り図面ケースや丸筒図面ケースに入ったバラバラ図面もスキャン可能です。
観音製本
主な用途: 工事用(現場用)図面 / 短期保管用 / 資料・配布用複写
印刷面を内側にして二つに折り、裏面同士を糊で貼り合わせて製本し、背張りテープを張って仕上げます。
谷折りの図面が観音開きとなる形状から「観音製本」と呼ばれますが、「二つ折り製本」または「中折製本」とも呼ばれています。
観音製本は、広げると折り目が平らになる為、図面が見やすくなります。現場作業や竣工検査図面、施工図、竣工図として最適です。
観音くるみ製本
主な用途: 完成図書 / 竣工図書
表紙と裏表紙を一枚の紙で仕上げたものを「観音くるみ製本」と言います。製本の仕方は観音製本と同じですが、表紙の仕上げの違いによって区別されます。
表紙に文字打ちをしたものを完成図や竣工図として用いられることがあります。
観音上製本
主な用途: 完成図書 / 竣工図書
製本の仕方は観音製本・観音くるみ製本と同じものですが、大きな違いは表紙の仕上りに有ります。
表紙をハード素材のもので仕上げたものを上製本と言い、中折り製本のハードカバーが「観音上製本」となります。
表紙に文字打ちをしたものを完成図や竣工図、測量成果品として用いられることがあります。
固定製本
主な用途: 契約書 / 確認申請 / 図面の長期保管
製本後は中身の取り外しがしづらく、契約書や確認申請書などの重要書類で差し替えによる不正やトラブルを防止するために使われるのが「固定製本」です。
変更・修正ができない工事請負契約書などに使われ、割印がされているものが多いです。
通常のフラットベッドスキャナ(平台スキャナ)ではスキャニングがしにくい製本です。
糸かがり製本
主な用途: 書籍 / アルバム / 論文
その名の通り糸を使用して綴じる方法で、和綴じの一種として紹介される事もある伝統的な製本手法のひとつです。糸の縫い方によって名前が異なります。
ページの束を糸で繋ぎ合わせた後、糊で固める綴じ方となっており、強度が強いのが特徴です。
さらに、縫い方によってページを180°開くことができ、開閉に対する耐久性も高いため、書籍や絵本、写真集、卒業アルバムなどにも用いられます。
ビス止め製本
主な用途: 報告書 / 竣工図
書類や図面に穴を空け、ビスで綴じる製本です。ファイル綴じのように中身を自由に入れ替える事ができます。
ファイルに比べ高い耐久性と高級感があり金文字(箔押し)表紙のものがほとんどです。
保存状態によってはビス部分の腐食・サビなどで分解や再組立てが出来なくなってしまう場合があり、そのまま使われている製本も多く見受けられます。